
障がいのある人の多様なニーズに応えるトータルサポートグループとして、地域に根ざした福祉サービスを展開する来島会は、障がいのある人とアーティスト、地域住民が共創する芸術祭「イマバリ・パラビエンナーレ」を、2027年2月の本会期開催に向け本格始動する。
その幕開けとして、5月20日(水)に第1回トークイベント「地域社会でアーティストができること~多様性と共生を考える~」を開催し、「イマバリ・パラビエンナーレ開会宣言」を行う。当日より、来年2月の本会期に向けた数々のアートプロジェクトが福祉施設、商店街、公共空間など、市内各所で動き出す。
イベント開催の目的
「イマバリ・パラビエンナーレ」は、アートや表現など様々な活動を通して、障がいの有無や年齢、立場を超えて、多様な人々が混ざり合うことを目指す芸術祭。会場となる福祉施設や商店街、公共空間などを舞台に、地域の中に自然な出会いや対話を生み出し、まちそのものを文化の場としてひらいていくことを目指している。
このプロジェクトの背景には、人と人との間に生まれる“偶然の出会い”や“交ざりあう体験”を、あえて取り戻していこうという来島会の思いがあるという。
少子高齢化や人口減少が進む中で、地域社会のあり方は転換期にある。一方で現代社会では、効率化やリスク回避が進み、「トラブルが起きないこと」や「面倒がないこと」が重視される中で、人と人との関係性も整理・分断されてきているという。
障がいのある人、高齢者、子ども、外国人、様々な困難を抱える人、それぞれに支援や制度が整備される一方で、人が“属性”ごとに分かれ、接点を持ちづらくなっている。その結果、「知らない人と関わる機会が減る」「違う価値観に触れづらい」「地域との接点を持てない」ことから生まれる孤立感や生きづらさが、社会全体に広がっているという。
来島会では、こうした時代だからこそ、“共生”とは制度やスローガンではなく、「人と人が関わり合える状態」を地域の中につくっていくことだと考えている。“うまく混ざりきらない”ことも含めて、多様な人々が同じ地域の中で関わり合っていくこと。そうした、一見すると非効率で、不揃いで、説明しきれない関わりの中にこそ、「共に生きる」という感覚が育まれていくのではないか。
「イマバリ・パラビエンナーレ」は、アートや表現など様々な活動を通して、そうした人と人との関係性を地域の中に生み出していく試みとなる。完成された作品を鑑賞するだけの芸術祭ではなく、地域の人々自身が関わりながら、文化を育てていく。そのプロセス自体を重視するのが「イマバリ・パラビエンナーレ」の特徴だ。
来島会が掲げる構想「街まるごと公民館」
来島会が掲げる「街まるごと公民館」とは、福祉施設や公共施設だけでなく、商店街、空き家、公園、スタジアム、地域食堂など、まちのあらゆる場所を、人と人が自然に出会い、関わり合い、何かが生まれる“ひらかれた場”として捉え直していく構想だ。
来島会ではその実践として「イマバリ・パラビエンナーレ」を開催する。また今年夏ごろには、今治市室屋町の空きスペースを活用した私設公民館「ガッチャンコ」の開設を予定しているほか、地域のさまざまな場所へ出向く「移動公民館」活動なども展開予定。来島会ではこうした様々な実践を通して、やがて人と人との関係性や、地域の空気そのものを変えていくことを目指していくとしている。
トークイベントの内容
第1回トークイベントでは、来島会理事長で、プロジェクト総合ディレクターの越智清仁氏が、「イマバリパラビエンナーレ」開会宣言を行う。また、プロジェクトの構想や背景、2027年2月までのロードマップを紹介するとともに、登壇アーティストとの対話を通じて、「地域社会の中でアートが果たせる役割」や「共生を文化として育てる可能性」を考える。
トークセッションには、越智氏、美術家でKOSUGE1-16の土谷享氏、美術家の磯崎道佳氏、音楽家の片岡祐介氏、「ぬか つくるところ」の中野厚志氏と丹正和臣氏が登壇。ゲストとして俳優・演出家・劇作家の有門正太郎氏が参加、ファシリーテーターを、アートマネジメント・文化政策の戸舘正史氏が務める。
福祉×文化×地域が交差する芸術祭「イマバリ・パラビエンナーレ」の第1回トークイベントに参加してみては。
■「イマバリ・パラビエンナーレ」第1回トークイベント「地域社会でアーティストができること~多様性と共生を考える~」
開催日時:5月20日(水)19:00~21:00
会場:今治ホホホ座
住所:愛媛県今治市共栄町1-3-3
定員:30名(要申込み)
参加費:無料
イベント詳細・申込:https://www.imabari-parabiennale.com/program/program-20260413-412
(yukari)